エキスパートインタビューvol.2

建物劣化の再発防止には
根本原因の解決を。

寺谷大作

特命工事部 エキスパートスペシャル
(インタビュー当時)​
寺谷大作

大規模修繕工事の施工管理を行う上でどのようなことを大切にしていますか?

工事は「段取り八分」だと思っているので、工事が始まる前にいかに準備をするかを重視しています。 大体工事が始まる1か月前にはすべての工種の協力会社と打合せをして、作業期間や人数、作業をどこから進めていくかまで決めています。 工事が始まる前に何回も同じ協力会社と打合せすることもあり、朝から晩まで何日も打合せということもありますよ。予めお客様のことも考慮して計画しているので、計画通りに進められるようにすることが結果的にお客様の安全や快適さにつながると思っています。

お客様の満足という点ではどのような工夫をされていますか?

お客様への対応でも、やはり「段取り八分」ですね。なるべく早くお客様のご要望を把握して、確実に対応をすることがお客様の満足へとつながるのではないかと思います。 戸数が多いマンションでは複数の代理人で一緒に工事をすることもあるのですが、お客様からお問い合わせいただいたことを書くための専用掲示板を設けたりしてうっかり忘れてしまうのを防ぐようにもしています。誰かがお客様から言われたことを一人で抱えてしまうと、結果的にお客様にご迷惑をおかけしてしまうので。現場代理人が複数いる時はとにかく共有できるようにするのが大切ですね。

大規模修繕工事の補修で一番重要視しているところはどのようなことですか?

もともと12年ほど新築工事の現場監督をしていたので、構造的な原因があればそこから補修を行い劣化の再発を防止することは重要視しています。しっかりとした補修ができていないと、再発したヒビが広がってコンクリートが割れてしまったり、ヒビから漏水してしまったりとさらに劣化が進行してしまう原因になりますから。

構造的な原因がある場合はどう補修されるのでしょうか?

例えば、構造的な欠陥が原因でできたヒビは、ヒビの原因に合わせて構造の補強を入れたり、シーリングを新設したりと、原因から対処をすることがマンションの劣化を防ぐという面で重要だと思います。 マンションの劣化といっても色々ありますが、こういった補修方法の選定から細かい補修方法まで、作業員に伝えて管理をすることが結果的に劣化を防ぐことにつながると思います。

寺谷大作

新築の現場監督と大規模修繕工事の現場代理人はどのようなところが違いますか?

工事内容という意味では新築工事の方が大変なのですが、大規模修繕工事ではいかにお客様の生活環境に影響を与えないようにするかに気を配る必要があります。例えばベランダ部分の作業を早く進めたいからといって一気に作業を進めようとすると、お知らせしていた以上に当日の作業範囲が広がり、お客様が急に洗濯物を干せない状況になってしまいます。 作業を効率よく進めることはもちろん必要ですが、お客様がなるべく不便な思いをしないように配慮することが一番大切だと思いますね。そして、お客様に配慮するということは、安全に作業を行い、事故を防ぐということにもつながります。 お客様第一、その次が工事ですので、作業員には脚立の置き方や、物の置き忘れに注意するよう口を酸っぱくして指示しています。事故なく安全に工事を進め、最後に足場が撤去された時に外から見て、大規模修繕工事前よりもきれいになっていることを実感すると、とてもやりがいを感じますね。

お問い合わせ・資料請求はこちら

0800-888-6191

平日(土日祝を除く)
9:00-17:00