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大規模修繕社員インタビュー

大切なのは建物調査診断で劣化を知ること|社員インタビューVol.02

2019.07.18
大規模修繕工事の「工事中」にお住まいの皆さまと最も関わる機会が多いのは“現場代理人”ですが、工事が始まる前に大規模修繕工事がスムーズに進行するように「計画・提案・準備」を進めるのが“営業”です。

工事中に多くの居住者の方と関わる現場代理人と違い、計画や提案段階で中心的な役割を担う営業は縁の下の力持ちとして工事を支える黒子のような存在なのだそう。しかし、工事が始まる前の段階でどのような工事を行うと良いか考える営業がいてこそ、それぞれのマンションにとって最良の工事を行うことができるのです。

現場代理人とは違った形で大規模修繕工事を支える営業は、大規模修繕工事をどのように考え、どのような想いで携わっているのでしょうか。第2回はリニューアル第2営業部サブマネージャー/須貝にインタビューしました。

Q:大規模修繕工事における営業の役割とはどのようなものなのでしょうか


A:主にはお客様の要望や建物の状況を総合的に判断した上で工事計画(施工内容やスケジュール)の立案及びそれを実施した際の見積りを作成し、お客様にとってベストなご提案をすることですね。私の部署は工事内容が事前に決まっている公募案件に対して入札を行うのではなく、お客様から直接依頼を受けてご提案することが多いのですが、建物の劣化状態などを確認するための建物調査診断が実施されていないこともあるので、見積りをするための建物調査診断も営業の役割となります。こういった場合は建物調査診断で基本的な建物の劣化状態の調査実施→建物特有の補修内容を含めて工事計画を検討→見積りを作成する、という流れでご提案しています。

Q:建物特有の補修内容とはどういったものがあるのでしょうか




A:例えば大規模修繕工事が2回目以降のマンションでは、築20年以上経過していることが多いので、玄関扉や窓の面格子といった箇所の交換が必要な場合があります。築年数が経つにつれてやはり劣化が進んでいきますので、1回目の大規模修繕工事では補修だけで済んでいた場所も、2~3回目の工事では交換しなければならないことも多いのです。

築年数の他では、マンションの立地条件によって内容を変える場合もあります。例えば沿岸地域の建物は潮風が当たるので、塩害で鉄部の劣化が他の建物と比べて早くなる傾向にあります。そういった地域では劣化状況に合わせて、塩害に強い材料を選定し補修内容を提案しております。

また、沿岸地域では材料だけではなく工事中の塩害にも気を付けなければなりません。工事期間中も常に潮風が当たっていますので、外壁に塩が付着します。塗装工事は洗浄工事をした後に行いますが、通常であれば問題ないのですが、洗浄工事からある一定の時間が経過すると洗浄した場所に塩が付着し、新規塗装の接着不良を引き起こす事が考えられます。

そのため、見積り前の段階にて外壁の一部を試験洗浄して、新規塗膜の施工可能期間を定めることを必要としております。以上の事を踏まえ洗浄工事から塗装工事までの施工可能制限を設けるといったことまで考えて工事計画を立案しています。

例えば、洗浄から3日以内に塗装をしなければならない建物で、連日の雨で塗装工事ができず、洗浄工事から1週間経ってしまったとしたら、もう一度洗浄工事をしてから塗装工事をおこないます。そういった工事の品質を守るための調査なども営業の役割になります。

Q:立地だけではなく建物の構造でも注意して見ている場所などはありますか


A:最近調査を実施したマンションではメゾネットタイプ(1部屋で2階構造になっているタイプ)の中で、地下の居室があるタイプは気を付けて見ています。メゾネットタイプの地下の居室のバルコニーの場合、他の場所よりも風通しが悪く乾燥時間に注意してます。そうすると塗装や防水工事をした時に、塗料や防水材のメーカーが指定している施工可能時間を超えていたとしても材料が十分に乾燥・硬化しないので、その上に中塗りや上塗りを重ねてしまうと、施工不良が起きてしまいます。そのため、乾燥時間をメーカー基準とは別に長く設けたりもします。

また、いくら乾燥時間を置いても梅雨時は高温多湿な日が多いことから湿気が溜まりやすい場所があります。例えば内部廊下(外と接していない建物内部の廊下)などの塗装工事をすると、塗料がいつまでも硬化しないだけでなく湿気の水分を吸収し塗料が流れてしまう場合があるため、湿気の溜まりやすい場所の工事時期を調整して、梅雨時にならないように工程を調整します。それでも湿気が溜まる場合は、必要に応じて除湿器を置いたりもします。

Q:営業はより良い工事ができるように環境を整える役割といったイメージでしょうか


A:そうですね。現場代理人は自分の担当している建物以外を見る機会が少ないのに対して、営業は日常的に色々な建物を見る機会があるので、新たな工法や効率の良い工法の情報を手に入れやすいです。その情報を駆使して個々の物件にとって最も良い工法・工程はどういったものなのかというのを考え、現場代理人が品質の良い工事をできるようにサポートするのが営業の役割だと思います。いわば黒子のようなものです。

Q:大規模修繕工事における「現場代理人」と「営業」の役割の違いはどのような点だと思いますか


A:現場代理人はお客様の安全や工期を含めて、工事全体の管理をするという役割が強くなりますが、営業はお客様にとっての利便性やマンション自体にとってのメリットなど、お客様目線が強くなるように感じます。

現場代理人は作業員の意見も踏まえた上で、居住者様のご要望を叶えつつ工事を安全・円滑に進められるよう調整・管理を行ないますが、一方営業は管理組合様の要望を踏まえた上で“マンション全体にとってのメリット”は何かという部分も踏まえて総合的に考えて取り組んでいます。

例えば、先ほどの例に挙げた内部廊下の塗装工事を梅雨時にしてほしいというお客様からのスケジュールのご要望があっても、施工不良が起きやすい環境下で工事を行うのは品質を下げる恐れがあるため、マンション自体にとってはデメリットが大きいです。そのため、お客様に説明した上で梅雨時を外して工事を行う提案をします。

ご要望もお聞きした上でお客様のご要望をすべて優先するのではなく、マンション自体のこと、工事の事も考えて、トータルで良い工事となるように調整をするのが営業の役割と考えております。

Q:“営業”という仕事の上で気を付けていることや大切にしていることは何でしょうか


A:「考え続けること」です。当社の場合、営業職は全員、現場代理人を経験してから営業職になっているため営業の人も補修方法や工事の知識があります。工法の選定一つとっても“補修できれば良い”のではなく、いくつかあるベターな工法ではなくベストな工法を考え、提案することを心がけております。また、マンション修繕は目に見える商材では無い為、商材を売る営業ではなく、技術営業的な側面が強いと思います。

例えば劣化状態が似ていても、その後の修繕計画はマンションによって異なる為、費用対効果を考慮して工法選定するケースもあります。工法は必ずしもスペックの高いものが良いわけではありません。

大規模修繕工事を2年後に控えているマンションの漏水補修であれば、今部分的にスペックの高い防水工事をしても、結局2年後の大規模修繕工事の時にやり直すことになりますよね。それであれば、今は漏水を止める補修に留めておいて、2年後の大規模修繕工事の時に長い期間保証の出る高いスペックの工事をした方が、トータルコストを抑えることができます。そういったお客様にとってのベストな選択や判断をご提供できるよう“何がお客様にとって最良なのか”というのは常に考え続けています。

Q:仕事をする上でこだわっていることを教えてください


A:工程を組むときに工事がよりスムーズに進むように調整する、という部分にこだわっています。例えば、同時に複数のマンションで大規模修繕工事が始まる場合、基本的に工事の流れはどの建物でも一緒なので足場架設工事、塗装工事、防水工事といった各工程の時期も重なってしまい、職人さんが足りない状態になってしまうことも考えられます。工事の時期を調整して工程が重ならないようにずらしておくと、Aの建物で作業していた職人が作業を終えてからBの建物で作業をすることができるので、トラブルを未然に防ぐことができるんです。こういったスケジュールの調整は営業しかできないので、できるだけ気を付けています。

あと、工事をスムーズに進めるための段取りとしては、理事会や総会での必要な決議事項とタイミングを一覧にして管理組合様に渡したりもしますね。理事会で決定していただけないと進められない工事も多々ありますので、このタイミングでこれを決めていただけると予定通りにスムーズに工事を進めることができるというのを事前にお知らせしておけば、管理組合さんとしても動きやすくなると考えています。


Q:大規模修繕工事をスムーズに進めるための重要なポイントは何だと思いますか


A:建物調査診断をして建物の劣化状態を知っておく、というのが重要だと思います。管理組合様にとっても施工会社にとっても一番怖いのは、実際に補修した数量に合わせて金額が変動する“実数精算工事”の数量・金額が当初の見込みより大きく変動することです。見積り段階では仮の金額を設定していますが、これを大幅に超えてしまうと修繕積立金が不足してしまいますし、工期に間に合わせようと焦って品質も落ちてしまいます。なので、現地調査や見積作成時に特に注意しているポイントですね。

建物調査の段階では足場架設が無いため廊下面しか調査することができないので、その劣化状態・数量を基にバルコニーの平米数を調べて見積りを出します。しかし、バルコニーは廊下面と比較すると日当たりが良いことが多いので、コンクリートの温度変化や紫外線による劣化が多くなり、廊下面よりも補修数量を多く見込む必要があります。ですが、多めに見込みすぎるとその後予算が足りなくなることはない代わりに、最初の見積り段階で予算を圧迫しすぎて、その他の必要な工事を削減しなければならなくなってしまいます。このラインを見極めるのが一番の大仕事ですね。

だからこそ、実際に足場を仮設したあとで調査をした時に見込み補修数量との差が少なければ予定していた通りに工事が進むので、お客様にもご負担をかけずに済みますし、そのマンションにとって一番良い工事ができるということなのでとてもやりがいを感じます。

第二回はリニューアル第2営業部/須貝へのインタビューでした。現場代理人とタッグを組みつつも違った形で大規模修繕工事に関わる営業ですが、黒子という表現をしていましたが縁の下で大規模修繕工事を支える重要な役割を担っています。大きな金額をかけて実施する大規模修繕工事だからこそ、お客様の要望をただ叶えれば良いのではなく、その建物にとってベストな選択となるように活躍する営業の役割はかなり大きいといえそうです。

(2019.07インタビュー実施)
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