ベランダとバルコニーの違いとは? 使い方と注意点

ベランダとバルコニーは、どちらもマンションの共用部分で、専用使用権を設定している屋外スペースのこと。屋根のあるのがベランダで、ないのがバルコニーです。緊急時は避難経路にもなるため、倉庫や鉢植えなどを置いてふさがないようにするなど、ベランダ・バルコニーを使う際の注意点を確認し、快適に活用する方法をご紹介します。

目次

居室の大きな掃き出し窓から外に出ると、そこはベランダ。洗濯物を干したりガーデニングを楽しんだりする住まいの大切な空間です。しかし、ベランダは居室の一部ではなく、マンションの共用部分。緊急時の避難経路でもあるため、理事会の承認なくリフォーム等をすることはできません。許可を得て工事をするにも避難上の支障等がないこと、防水層・排水に悪影響がないこと、躯体にボルト等を打ち込まないことなどが求められます。
また、ベランダと似た構造の空間にバルコニーがありますが、ベランダとはどこが違うのでしょうか。今回の修繕成功magazineでは、ベランダ・バルコニーを使う際の注意点を確認し、快適に活用する方法として〝ベランピング〟などをご紹介します。

 

ベランダとバルコニーの定義

マンションの外壁から突出している屋外のスペース“ベランダ”や“バルコニー”は、日本語で“露台(ろだい)”といいます。混同して使われがちなこの二つですが、ベランダとバルコニーの違いは屋根があるかないかです。露台の上に庇(ひさし)または上の階のベランダで屋根がかかっているのがベランダ、屋根のないスペースがバルコニー、と定義されます。

バルコニーにも“ルーフバルコニー” や“サービスバルコニー”などがあり、構造や広さによって呼称が分かれているものの、同様に屋根のない空間です。ルーフバルコニーは階下の屋根部分を使ったバルコニーのことをいい、サービスバルコニーはエアコン室外機の設置ができる、奥行1メートル以下の狭いバルコニーのことを指します。

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ベランダやバルコニーは自分の家ではない?

ベランダ・バルコニーは、各戸に面した部分を居住者が専用で使用できます。隣戸との境には隔て板が設置されているため専有部分と思われがちですが、マンションの共用部分に当たります。面している住戸に専用使用権が設定され、網戸や集合ポストなどと同様に、建物の付属物として“使用する権利がある”場所です。

専用使用権を区分所有者が所持する一方で、火災発生などの緊急時は避難経路となる共用部分です。定期的なメンテナンスを大規模修繕で行いますが、日常の清掃や管理は各区分所有者が行うこととなっています。

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では、ベランダ・バルコニーを使用する際に注意すべきはどのような点でしょうか。

最も重要なのは、緊急時の避難に支障がないように使うことです。隣戸との間にある隔て板の前に物を置かない、仕様を大きく変えない、火気の使用(バーベキュー等)をしない
といったことが挙げられます。
細かな規則はマンションの管理規約によって異なりますが、ここでは多くのマンション共通の注意点として①隔て板の前に物を置かない②大規模な改造を行わない③火気の使用④におい・騒音⑤大量の排水―などの注意事項を説明します。

 

1.隔て板の前に物を置かない

火災など緊急時の避難を妨げる使い方をしてはいけません。隣戸との隔て板の前に花壇や鉢植え、コンテナ、室外機などを置くと、自身の避難が困難になるだけでなく、隣戸から避難してくる人の障害にもなります。特に夜間の避難では転倒のリスクにも。隔て板の前には物を置かず、常にスペースをあけておきましょう。避難はしごを収納した避難ハッチが取り付けられた住戸は、ハッチもふさがないよう注意が必要です。避難以外では、子どもが物や室外機を踏み台にしてベランダの手すりによじ登り、転落事故につながった例もあります。安全のためにも、置く際は最小限にとどめましょう。

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出典:政府広報オンライン

2.大規模な改造を行わない

ベランダを大きく改造し、他の住戸と異なる外観にすることはできません。サンルームを作ったり重量のある物置を設置したりすると、防水層が傷み、階下への漏水につながることがあります。ボルト等を打ち込むことも止めましょう。

3・火気の使用

ベランダでバーベキューや花火など、火を使うことは危険です。風で火の粉や灰が飛ばされ、他の住戸のベランダや洗濯物を汚損することもあります。ベランダの表面や防水層も火気に弱いので、バーベキューや花火はもちろん、タバコの火も注意しましょう。

4.におい・騒音

ベランダからのにおいや騒音でもトラブルに発展することも。

ペットの臭いや鳴き声、ベランダで遊ぶ子どもの声は近隣住戸の迷惑となることがあります。また、住戸内の臭いを気にしてベランダでタバコを吸うと、煙と臭いが周りの住戸に流れてゆきます。

またペット以外にも、ベランダにやってくる野鳥がかわいいからと餌づけするのも厳禁です。ハトやカラスが集まってしまうと糞害の原因となり、いったん住み着いた野鳥を駆除するには、法律に沿った手続きを踏む必要があります。

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出典:環境省ホームページ

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5.大量の排水

ベランダの清掃時や子ども用のビニールプールを使用した後など、排水量が多いタイミングは注意が必要です。一度に大量の水を流すと落ち葉などのゴミで排水口が詰まり、隣戸のベランダまで水浸しになることも。水を流してベランダを掃除する時やプランターへの水やりも周囲にご注意ください。
水を使用する時は排水口の周りを掃除してから始め、誤って周囲を濡らしてしまった場合は、すぐお詫びに伺いましょう。

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ベランダやバルコニーの活用方法

共用部分であるベランダ・バルコニーは守らなくてはならないルールがありますが、屋外ならではの楽しみ方も。ここからは楽しめるベランダ・バルコニーの活用方法をご紹介します。オープンエアのリビングテラスとして、家庭菜園やガーデニングスペースづくり、ベランピングなど、ルールを守り活用してみましょう。

リビングテラス

ベランダをリビングの延長として活用してみましょう。ベランダの床に自力で着脱可能なタイル材やデッキ材を置いて、リビングの床と高さを合わせてひと続きにすると、一体的な印象で広々使うことができます。
在宅勤務で集中したいときは一人用のサンシェードを広げる、
テーブルとチェアを置いてホテルのルームサービスのような朝食空間にする、
子ども用テントを張って秘密基地に、
毛布にくるまってデッキチェアに寝転んで外気浴を楽しみながらの読書など、
多様な空間演出ができそうです。

ガーデニング

プランターや小型フェンスを使ってベランダを小さな花園に仕立てると、心の休まる素敵な癒し空間になります。同じ色の花を何種類も集めたり、開花時期が少しずつ違う花を順番に植えてみたり。家庭菜園ならミニトマトが育てやすいものの、おいしそうに赤く色づくと、たちまち野鳥に横取りされてしまう筆頭なので、目が離せません。落ち葉や土、水やりで周辺住戸を汚さないよう注意しましょう。

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ベランピング

ベランダにアウトドアテーブルやテントなどを広げ、キャンプ気分を味わう“ベランピング”も手軽な活用方法です。ベランダでの火気の使用はできませんが、キッチンで調理した料理を並べて食べるだけでもアウトドア気分を味わえます。臭いにも注意をしながら楽しみましょう。


ベランダやバルコニーは、そこに接する住戸の居住者が専用で使用できる空間です。共用部分であり避難経路であることを忘れずに、気持ちよく活用してマンションライフを楽しみましょう。
弊社運営のメディアサイト「いい住まい」では、ベランダで育てる植物としてクリスマスローズをご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

様々な楽しみ方があるベランダ・バルコニーですが、大規模修繕工事時は基本的に荷物を全て移動していただく必要があります。ヨコソーでは大規模修繕工事時にベランダを片づけるお手伝いや、ご相談も受け付けておりますのでお気軽にご連絡ください。

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