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マンションの耐⽤年数は何年?⼤規模修繕⼯事が必要になる時期と判断のポイントを解説
マンションの耐用年数
マンションの耐用年数には
① 法定耐用年数(減価償却年数、47年)
② 物理的推定寿命(117年)
③ コンクリートの理論上耐用年数(120~150年)
④ 固定資産台帳の滅失データ(68年)
―など、それぞれの切り口があり、何を基準にするかによって「耐用年数」の意味は異なります。
例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)・鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションは、税法上の「法定耐用年数」が47年と定められています。ただし、これは建物の減価償却の計算に用いる年数であり、建物の寿命や建替え時期を示すものではありません。
建物の物理的な寿命については117年との推定(飯塚裕著 『建築の維持管理』1979年、鹿島出版会)があります。また、コンクリートの理論上の耐用年数を120~150年程度とする考え方(大蔵省主税局『固定資産の耐用年数の算定方式』1951年)などもあります。
首都圏には築40年を超えても高い人気を保つ「ヴィンテージマンション」が複数存在します。東京都内では1983~87年に竣工した「広尾ガーデンヒルズ」がヴィンテージマンションの代表格として知られており、1971年竣工の「秀和高円寺レジデンス」は、国土交通省のマンションストック長寿命化等モデル事業にも採択され、長く住み継ぐための改修が行われています。
マンションの寿命を左右するコンクリートの劣化
こうしたマンションには、きちんとした維持管理や修繕を重ねてきた歴史があります。なかでも重要なのがコンクリートの劣化への対応です。コンクリートは耐久性の高い材料ですが、時間の経過や周囲の環境による劣化は避けられず、特に注意したいのが「中性化(コンクリート内部のアルカリ性が低下する現象)」「塩害(塩化物イオンの影響で鉄筋腐食が進む現象)」「ひび割れ」による劣化です。
中性化や塩害などによって鉄筋が腐食し錆が発生した結果、錆びた鉄筋周辺のコンクリートに圧力がかかってひび割れが生じます。また、乾燥収縮や温度変化などで自然にひび割れが生じることもあります。ひび割れイコール直ちに危険な状態、というわけではありませんが、水や空気などの侵入経路となり、コンクリート内部の鉄筋の腐食をさらに促す悪循環の原因になりえます。

1929年に竣工した鉄筋コンクリート構造の旧根岸競馬場一等馬見所(横浜市)。現在は立ち入りが禁止されていますが、横浜市は耐震補強後、新たな観光資源として保存活用する方針です。
鉄筋の腐食が進むと、コンクリートの表面部分に「浮き」や「剥離」が生じ、建物の美観を損なうだけでなく躯体の性能や寿命にも影響を及ぼします。
建物劣化のサインを見つけたら

広範囲にひび割れが表れてきた、浮きや剥離が見られる、鉄筋が露出している、錆汁が見られる―。コンクリートにこうしたサインが見られたら、専門家による建物調査や診断を行い、劣化の程度や原因を確認することをお勧めします。
劣化の進行が比較的緩やかであれば、対策工事の実施時期をじっくり検討することができます。反対に、劣化が想定以上の速さで広い範囲に拡大していると判明した場合は、長期修繕計画の見直しや、大規模修繕工事の前倒しを検討する必要があります。
大規模修繕工事では、外壁や屋上だけでなく鉄部や配管など、建物のさまざまな部分の修繕や補修を総合的に行います。必要な修繕を適切なタイミングで行い、建物を良好な状態に保つことが、マンションの長寿命化につながります。
まとめ
コンクリートの劣化は避けることができません。だからこそ、日常的な点検で劣化のサインを発見し、必要な手当てを適切なタイミングで行うことが求められます。マンション内で「いつのまにかひび割れができているな」などと不安に感じることがあれば、管理会社に報告する、または、理事会に投書するなどして問題提起しましょう。大規模修繕工事のタイミングでなくても、また、理事や修繕委員でなくても、居住者の小さな気付きがマンションの耐用年数を延ばすきっかけになるのです。
